肌着メーカーの選び方とおすすめ仕入先のまとめ

新たなブランドの立ち上げや、既存商品のリニューアルを検討する際、信頼できる肌着メーカーとの出会いは成功の鍵を握ります。
しかし、国内外に数多あるメーカーの中から、自社のビジョンに最適な一社を見つけ出すのは容易なことではありません。
この記事では、肌着メーカーの基本的な役割から最新の市場動向、そして失敗しないための具体的な選び方までを網羅的に解説します。
品質、コスト、柔軟性といった多角的な視点から比較検討するポイントを学び、ビジネスを加速させる最高のパートナーを見つけるための一助としてください。

目次
肌着メーカーとは?主要製品カテゴリと市場動向を解説

肌着メーカーと一言でいっても、その事業内容は多岐にわたります。
単に衣類を製造するだけでなく、素材開発からデザイン企画、マーケティングまで手掛ける企業も少なくありません。
ここでは、肌着メーカーが扱う主要な製品カテゴリや、国内外の市場規模、そして機能性やサステナビリティといった最新トレンドについて深く掘り下げていきます。
肌着メーカーが扱う主なアイテムと特徴
ポイント
肌着メーカーが製造するアイテムの種類は非常に多岐にわたり、それぞれに特有の機能や目的が存在します。
代表的なものとして、インナーシャツ、ショーツ、ブラジャー、そして特定の機能に特化したインナーなどが挙げられます。
インナーシャツは、汗を吸収してアウターへの汗ジミを防いだり、体温を調節したりする役割を持ちます。
素材には綿やポリエステル、レーヨンなどが用いられ、季節や用途に応じて吸湿速乾性や保温性が求められます。
ショーツやブラジャーといったアイテムは、身体を保護し、美しいシルエットを形成する重要な役割を担います。
特に女性用の下着はデザイン性が高く、快適な着け心地とファッション性を両立させるための繊細な設計が必要です。
近年では、特定の機能を持つ「機能性インナー」の需要が大きく伸びています。
例えば、冬の防寒対策としての吸湿発熱インナーや、夏の暑さ対策の冷感インナーが代表例です。
その他にも、スポーツ時のパフォーマンスを向上させるコンプレッションウェアや、気になる体臭を抑える消臭・抗菌機能付きの肌着も人気を集めています。
これらのアイテムの特徴を理解することは、どのターゲット層にアプローチしたいのかを明確にする上で非常に重要です。
以下の表は、主なアイテムとその特徴をまとめたものです。
項目 | 主な役割・機能 | 主な素材 | 特徴 |
---|---|---|---|
インナーシャツ | 吸汗速乾、保湿、体温調整、アウター保護 | 綿、ポリエステル、レーヨン、アクリル | 季節やシーンに応じた機能性。デザインも多用 |
ショーツ・トランクス | 身体の保護、衛生維持、快適性 | 綿、ポリウレタン、ナイロン | フィット感や通気性が重要 |
ブラジャー | バストの支持・保護、シルエット形成 | ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル | ワイヤーの有無、カップの形状、デザインなど |
機能性インナー | 保温、冷感、消臭、加圧、姿勢サポート | 化学繊維、機能性加工素材 | 特定の目的を解決するために開発 |
自社のコンセプトに合った製品開発を得意とする肌着メーカーを選ぶことが、成功への第一歩と言えるでしょう。
日本・海外の肌着市場規模と成長予測
ポイント
肌着市場は、私たちの生活に密着した安定的な市場であり、その動向を理解することは、事業戦略を立てる上で欠かせません。
ここでは、日本と海外の肌着市場の規模と将来について見ていきましょう。
日本の肌着市場
矢野経済研究所の調査によると、下図の通り、肌着市場の規模は小売金額ベースで、男女合わせて約8千億円程度とされています。

出典:矢野経済研究所│レディスインナーウェア・メンズインナーウェア市場規模推移・予測(2024年)
そして、2020年のコロナ禍の影響による減少以降、ほぼ横ばい傾向です。
この傾向の背景には、ライフスタイルの変化の定着があると推測され、少子高齢化による人口減少により、将来もコロナ禍以前の市場規模へ向けた回復は期待薄とされています。
そのため、各肌着メーカーは、素材や着用感を向上させた付加価値の高い商品を、市場へ投入することで収益を確保する動きを取っています。
これにより、特に、吸湿発熱や冷感といった機能性インナーの市場は拡大を続けており、大手メーカーだけでなく、新規参入企業にとってもビジネスチャンスはあるでしょう。
海外の肌着市場
これに対して世界の肌着市場規模は、2022年時点で約30兆円と推測されており、今後も2030年へかけて毎年5.4%で成長すると予測されています。
参考:世界のインナーウェア市場規模・シェア・動向分析レポート
特にアジア地域での著しい成長が予測されます。
経済成長に伴う中間所得層の拡大により、可処分所得が増え、ファッションやライフスタイルへの関心が高まっているためです。
中国や東南アジア諸国では、高品質な日本製肌着への評価が高く、大きな潜在需要が見込まれます。
また、欧米市場では、オーガニック素材やエシカルな生産背景を持つブランドへの支持が強く、サステナビリティを軸にした製品展開が成功の鍵となるでしょう。
最新トレンド|機能性・サステナビリティ・素材革新
ポイント
現代の肌着市場を理解する上で無視できないので、「機能性の深化」「サステナビリティへの意識向上」、そして「素材そのものの革新」の3つの大きなトレンドです。
これらは消費者の価値観の変化を反映しており、肌着メーカー選びにおいても重要な判断基準となります。
それぞれを見ていきましょう。
機能性の深化
かつての「暖かい」「涼しい」といった基本的な機能はもはや当たり前となり、下記のようなより高度で具体的な課題解決が求められるようになりました。
消臭・抗菌:汗の臭いや部屋干し臭を抑制する機能。銀イオンや特殊な加工技術で、効果の持続性を高めた製品が人気。
スキンケア:肌の乾燥を防ぐため、シアバターやコラーゲンなどの保湿成分を繊維に練り込んだインナーの登場。着るだけで肌をケアできるという付加価値への注目。
ストレスフリー:縫い目をなくしたシームレス仕様や、タグをプリントにするタグレス仕様、伸縮性に優れた素材など。着ていることを忘れるほどの快適性を追求した製品が支持を集めている。
サステナビリティへの意識向上
環境や社会に配慮した製品を選ぶ消費者が増えたため、サステナビリティは企業姿勢を示す上で不可欠な要素となり、以下のようにメーカーも積極的に取り組んでいます。
環境配慮型素材:オーガニックコットン、リサイクルポリエステル、植物由来の再生繊維(リヨセルなど)の使用の拡大
生産プロセスの改善:製造過程における水や化学薬品の使用量の削減、染色工程で環境負荷の少ない方法の採用
長寿命設計:長く愛用できる丈夫で飽きのこないデザインの製品への評価
素材そのものの革新
上記のトレンドを支えるのが、素材そのものの革新であり、天然素材の持つ優しさと、化学繊維の持つ機能性を融合させたハイブリッド素材の開発が進んでいます。
例えば、ウールとポリエステルを組み合わせることで、保温性と速乾性を両立させるといった具合です。
また、極細繊維を使用することで、これまでにない滑らかな肌触りを実現するなど、メーカーの技術力が製品の魅力に直結します。
肌着メーカーの選び方|OEM対応・コスパ・信頼性の比較ポイント

自社のブランドコンセプトを実現するためには、最適な肌着メーカーをパートナーとして選ぶことが何よりも重要です。
デザインや価格だけでなく、品質、生産体制の柔軟性、そして長期的な信頼関係を築けるかどうかが成功を左右します。こ
こでは、理想のメーカーを見極めるための具体的な比較ポイントを解説します。
素材と縫製の品質基準
肌着は直接肌に触れるものだからこそ、その品質は消費者の満足度に直結します。
優れた肌着メーカーを選ぶ上で、素材と縫製の品質基準を厳しくチェックすることは絶対に欠かせません。
それぞれを見ていきしょう。
素材の品質
ポイント
素材は、肌触り、耐久性、機能性の3つの観点から評価することが重要です。
サンプルを取り寄せたら、必ず実際に触れて、肌当たりの良さや柔らかさを確認しましょう。
また、洗濯後の縮みや型崩れ、毛玉の発生しにくさといった耐久性も確認すべきポイントです。
メーカーに洗濯堅牢度(色落ちのしにくさ)や寸法変化率などの試験データ(JIS規格などに基づく)を提示してもらうのも有効な方法です。
吸湿性や速乾性といった機能面についても、その効果がどのような技術に基づいているのか、具体的な説明を求めましょう。
縫製の品質
ポイント
縫製の品質は、製品の見た目の美しさと耐久性に大きく関ります。
以下のポイントを重点的にチェックしてください。
縫い目の均一さ:縫い目のピッチ(幅)が一定で、糸の調子が整っているかを確認。縫い目が蛇行していたり、糸が緩んでいたりするものは品質が低い証拠。
糸始末の丁寧さ:縫い終わりの糸がきちんと処理されているか、ほつれがないかを見る。糸が飛び出していると、そこからほつれてしまう原因となります。
肌当たりの配慮:脇や首周りなど、肌に直接当たる部分の縫い方がフラットになっているか、洗濯表示タグが肌に刺激を与えない素材かをみる。
生地の繋ぎ目: 柄物の場合、生地の繋ぎ目で柄がきちんと合っているか。
これらの品質基準を満たしているかどうかを確認するためには、サンプル品のチェックが最も効果的です。
可能であれば、複数のメーカーからサンプルを取り寄せて比較検討することをおすすめします。
小ロット・OEM対応の柔軟性
ポイント
事業の立ち上げ初期や、多様なデザインを展開したいと考える場合、肌着メーカーの「小ロット対応」と「OEM対応」の柔軟性は非常に重要な選定基準です。
メーカーを選ぶ際には、まず最小発注数量(MOQ:Minimum Order Quantity)を確認しましょう。
MOQはメーカーや製品、素材によって大きく異なります。
また、小ロットに対応してくれる場合でも、単価が割高になることが一般的であり、その価格設定が、自社の事業計画に見合っているかを慎重に判断する必要があります。
事業が軌道に乗ると、メーカーの生産設備や技術力を活用してオリジナルブランドの肌着を作る、いわゆるOEMを検討することもあるでしょう。
その場合、企画提案やパターン作成、素材調達など、OEMでどこまでの範囲をサポートしてくれるのか、その柔軟性も確認すべき重要なポイントです。
丁寧なヒアリングを通じて、自社の想いを形にしてくれるパートナーを見つけ出すことが成功の鍵を握ります。
OEMに関する基本情報と始め方については、下記の記事が参考になります。
生産コストと納期のバランス
ポイント
肌着メーカーの選択において、品質に見合った適正なコストと、信頼できる納期管理能力のバランスを見極めることも重要な要因です。
それぞれを見ていきましょう。
生産コスト
生産コストの内訳は、主に「生地代」「付属品代(ゴムやレースなど)」「縫製工賃」「検品・仕上げ費用」「輸送費」などで構成されます。
見積もりを依頼する際は、単に総額を見るだけでなく、どのような内訳になっているのかを確認することが望ましいです。
例えば、同じ製品でも、生産国(国内か海外か)によって人件費や輸送費が大きく変わります。
安価な見積もりには、品質の低い素材を使っていたり、縫製工程を簡略化していたりする可能性があります。
そのため、複数のメーカーから見積もりを取り、価格と仕様を比較検討することで、コストの妥当性を判断しましょう。
納期
特に季節商品や販売キャンペーンに合わせて商品を投入する場合、納期は非常に重要な要素となります。
メーカーを選定する際には、標準的な生産リードタイム(発注から納品までにかかる期間)を確認しましょう。
また、生産管理体制について、以下のように具体的に質問することも大切です。
- 生産スケジュールの共有方法は?
- 進捗状況はどのくらいの頻度で報告してくれるか?
- 万が一、遅延が発生しそうな場合の対応策は?
これらの質問に対し、明確で誠実な回答が得られるメーカーは、信頼性が高いと言えます。
取引実績や信頼性の確認方法
肌着メーカーを選択する際に重要な取引実績や信頼性を確認するための具体的な方法は、以下の通りです。
ポイント
- 公式ウェブサイトや会社案内を確認する
- 業界の展示会へ出向く
- オンライン上の口コミや評判を参考にする
- 担当者とのコミュニケーションを通じて信頼性を判断する
基本となるのが、企業の公式ウェブサイトや会社案内で、以下のポイントをしっかり確認することです。
- 会社概要: 設立年月日、資本金、従業員数など
- 事業内容・沿革: どのような事業からスタートし、現在までどのように発展してきたのか
- 設備や認証:自社工場の有無、保有している生産設備、ISO認証(品質管理)などの取得状況
- 取引実績:どのような起業と取引実績があるのか
長い業歴は信用の証といえ、事業内容や沿革からはそのメーカーの強みが判断できます。
業界の展示会では、一度に多くのメーカーと直接話せるだけでなく、業界内の雰囲気や評判を感じ取ることができます。
インターネット上の口コミや評判も参考にはなりますが、情報の正確性には注意が必要です。
最終的には、担当者とのコミュニケーションを通じて信頼性を判断することが最も大切です。
問い合わせに対するレスポンスの速さ、質問に対する回答の的確さ、専門知識の豊富さ、などで、丁寧な対話を重ねることで、信頼関係を築けるかどうかを見極めることも重要です。
肌着メーカーのおすすめ

最後に弊社の提携先からおすすめの優良工場を紹介しますので、ぜひご利用を検討ください。
THE CKB肌着制作工場のご紹介

THE CKB連携工場
工場概要
設立:1998年
事業内容:無縫製ウェアを中心としたOEM製造
取引実績:日系・欧米ブランドとの多数取引
強み:27年以上の経験とノウハウ、専門性の高い製造技術
1998年の創業以来、27年以上にわたり無縫製ウェアのOEM製造を専門に手掛ける弊社の連携工場をご紹介します。
日系企業はもちろん、リアーナ氏が手掛ける「Savage X Fenty」や「Popilush」といった欧米の最先端グローバルブランドとの豊富な取引実績が、私たちの技術力と信頼性の証です。
長年培ってきた経験とノウハウを基に、お客様のブランドコンセプトを形にする最適なパートナーとなります。
当工場の強みは、世界トップクラスの生産体制にあります。
心臓部となる編み立て工程では、イタリアSANTONI社製の最新無縫製編機を350台以上保有しており、年間5,000万点を超える圧倒的な生産能力を誇ります。
縫製工程では1,000台以上の日本製ミシンが安定した品質を支え、DATACOLORによる精密なカラーマネジメントで繊細な色表現も実現させます。
さらに、約2万㎡の自動化倉庫システムが、資材管理の効率化とコスト削減に貢献しています。
得意とするのは、フィット感と機能性を両立させたOEM製品です。
跡が残らない快適な「無縫製インナー」や補整下着、パフォーマンスを支える「スポーツ機能ウェア」、そしてリラックスシーンに最適な「ルームウェア」まで、幅広いカテゴリに対応いたします。
抗菌・吸湿・速暖といった付加価値の高い機能を持たせることも可能であり、多様なニーズにお応えできる開発力が自慢です。
世界的なブランドとの量産実績は、厳しい品質基準と納期管理をクリアしてきた証左に他なりません。
世界最高水準の設備と専門性の高い技術力で、お客様の理想とする肌着づくりを企画から量産まで一貫してサポートします。
既製品の仕入れ・OEM生産の両方に対応した工場のご紹介
工場概要
設立:2010年
事業内容:ヨガウェアを中心としたOEM製造
強み:15年以上の経験と豊富なノウハウ、専門性の高い製造技術による高品質な生産体制
工場面積:25,000㎡
従業員数:657名
2010年創業、ヨガウェアのOEM製造を専門とする工場です。
15年以上の経験を持つ専門チームが、豊富なノウハウと高い技術力で高品質な製品づくりを実現します。
総面積25,000㎡の工場には650名以上の従業員が在籍し、1日あたり15万点の生産が可能な大規模体制を構築しています。
ヨガウェア、スポーツブラ、レギンスといったアクティブウェアを、お客様のニーズに合わせて安定供給が可能です。
その品質は、中国全土への供給に加え、東南アジアや中東、欧米など多くの国と地域への豊富な輸出実績が証明しています。
圧倒的な生産能力とグローバルな供給網を活かし、お客様のブランド展開を力強くサポートします。
まとめ
本記事では、肌着メーカーの市場動向や最新トレンドから、失敗しないための具体的な選定ポイントまでを網羅的に解説しました。
理想の製品づくりにおいて、信頼できるメーカーとの出会いは成功の鍵を握ります。
メーカーを選ぶ際は、価格だけでなく、素材や縫製の品質、小ロット対応の柔軟性、そして取引実績に裏付けられた信頼性など、多角的な視点から慎重に比較検討することが不可欠です。
自社のブランドコンセプトを深く理解し、それを形にする技術力と情熱を持ったパートナーを見極めましょう。
この記事で得た知識を羅針盤として、あなたのビジネスを加速させる最高の肌着メーカーを見つけて頂ければ幸いです。
