【2025年版】Amazonアカウントは複数作成できる?作り方・規約・注意点を完全解説!

「Amazonセラー用アカウントをいくつか運用して売り上げアップしたい」
「セラー用アカウントってそもそもいくつも申請できるの?」
そのような疑問に応えるべく、この記事ではAmazonの出品用アカウントを複数申請する方法と注意点について紹介していきます。
ただ、結論から書くとAmazonは一部例外を除き「出品用アカウントの複数運用を禁止」しています。Amazonが禁止している以上、最悪の場合はアカウントの停止や閉鎖に追い込まれるリスクがあることは事前に知っておきましょう。

目次
Amazonの出品用アカウントは複数作成できる?

Amazonを利用していると、明らかに同じ出品者だと分かるアカウントを見かけることがあります。
なぜ複数のアカウントを運用する業者が多く存在するのでしょうか。
基本的にAmazonの規約では、出品用アカウントは法人・個人関係なく運用できるのは1アカウントのみですが、正当な理由がある場合は複数アカウントの運用を認めています。
ここではAmazon規約に則りながら、複数のセラーアカウントを運用する条件について解説していきますので参考にしてください。
Amazonの規約で複数アカウントは認められている?
ポイント
Amazonの規約では法人・個人に関わらず、出品用アカウントの運用は1個のみとなっています。
以下、Amazonの規約(出品者の禁止活動および行為、ならびに遵守事項)を引用すると
”複数の出品アカウントの運用:2つ目のアカウントを開設するビジネス上の正当な理由があり、すべてのアカウントが問題なく運用されている場合を除き、出品する地域ごとに維持できるセラーセントラルアカウントは1つのみです。”
と説明されています。
このルールは、主にプラットフォームの公正性を保つために設けられています。
もし誰でも自由にアカウントを作成できると、次のような問題が起こりかねません。
問題 | 内容 |
---|---|
不当なレビュー操作 | 複数のアカウントを使い、自社の商品に高評価を付けたり、競合他社の商品に低評価を付けたりする不正行為 |
販売機会の独占 | 同じ商品を複数のアカウントで出品し、検索結果を埋め尽くす行為 |
アカウント停止への不正対策 | 規約違反でアカウントが停止された際に、別のアカウントを作成して販売を継続する行為 |
これらの不正を防ぎ、すべての出品者と購入者にとって健全なマーケットプレイスを維持するため、Amazonは「1事業者につき1アカウント」という厳格なルールを設けているのです。
この原則を理解しておくことが、Amazonでビジネスを行う上での第一歩となります。
複数アカウントが認められる「例外的なケース」
Amazonでは出品者用アカウントの複数運用を禁止していますが、以下の正当な理由があれば、例外的に認められるケースが存在します。
例外的なケース
- 複数のブランドがあり、独立したビジネスを行っている
- 2つの異なる法人で、商品を製造している
- 別のアカウントを必要とするAmazonプログラムに採用されている
つまり、Amazonにも認められている方法として一番確実なのは、「それぞれ独立した法人によるアカウントの運用」だと言えます。
ただし、「いずれかのアカウント運用に問題がある場合は、すべてのアカウントの問題が処理されるまで、すべての出品用アカウントが停止されることがあります。」
と注意書きがあるため、運用する場合に注意が必要です。
また、個人事業主や小規模で運用しているショップの場合、複数のアカウントを申請することはできないのでしょうか?
規模も大きくない個人事業主の場合、法人を複数持つことは現実的ではありません。
ショップ運営者の中にはポリシー違反と知りつつ、同一人物だと分からないように、できるだけアカウント停止のリスクを避けるように申請する人もいます。
しかし、その方法ではアカウント停止のリスクがあるため、推奨できません。
それでも複数のアカウントを申請したい場合は、Amazonの担当者に相談してみるのも一つの方法です。
これからAmazonでせどりを始める方は、以下の記事が参考になります。
Amazonの複数アカウントの作り方
ポイント
法人として複数アカウントを作成する場合、最も重要な注意点は、既存のアカウントとは異なる情報で登録することです。
Amazonのシステムは、登録情報の一致や類似性からアカウントの関連性を自動で検知するため、下記の情報の重複は絶対に避けなければなりません。
- 法人情報
- 銀行口座名義
- クレジットカードの情報
- 電話番号
- メールアドレス
住所は登記上の住所が同じ場合はやむを得ないですが、可能な限り分けましょう。
これらの情報をすべて新しく準備した上で、通常のAmazon出品用アカウントの作成手順に従って登録作業を進めます。
登録プロセス自体は最初のアカウント作成時と変わりありません。
Amazon複数アカウント運用のリスク・注意点

Amazonにおける複数アカウントの運用では、やり方や管理が不適切だったりすると、極めて深刻なリスクを負うことになります。
軽い気持ちで始めた複数アカウント運用が、ビジネスの存続を揺るがす事態に発展するケースは少なくありません。
ここでは、具体的にどのようなペナルティやリスクが存在するのかを、一つずつ詳しく解説します。
違反がバレたときのペナルティ(アカウント停止・削除)
ポイント
複数のアカウントを不正に運用していることがAmazonに検知された場合、最も一般的なペナルティが「アカウントの停止(サスペンド)」です。
Amazonは、IPアドレス、ブラウザのCookie、使用端末の識別情報、登録されている氏名・住所・電話番号・銀行口座など、あらゆる情報を駆使してアカウント同士の関連性を監視しています。
そのため、「少し情報を変えただけ」といった安易な偽装は簡単に見破られてしまうのです。
アカウントが停止されると、出品している商品はすべて販売できなくなり、売上金の支払いも保留されます。
多くの場合、事前警告なしに突然停止の通知が届くため、対応が後手に回りがちです。
さらに悪質なケースや、改善が見られないと判断された場合には、「アカウントの削除(閉鎖)」という、より重い処分が下されることもあります。
これは事実上の永久追放であり、同じ名義や情報での再登録は二度とできなくなります。
Amazonでのアカウント停止に関する詳しい内容と対策については、下記の記事を参照ください。
アカウント停止後の復旧は困難を極める
ポイント
もしアカウントが停止されてしまった場合、その状態から復旧させるプロセスは非常に困難を極めます。
アカウントを再開するためには、Amazonに対して「改善計画書」を提出し、承認を得なければなりません。
この計画書には、以下の3点を具体的かつ論理的に記述する必要があります。
問題の根本原因 | なぜ規約違反(複数アカウントの所持)に至ったのか、その根本的な原因を分析・説明する |
問題解決のための具体的措置 | 違反状態を解消するために、既に行った具体的な対応策を記述する |
将来的な問題の再発防止策 | 今後、二度と同じ違反を繰り返さないための恒久的な仕組みや対策を提示する |
Amazonの審査は非常に厳格なため、単なる謝罪や曖昧な精神論では決して認められません。
システムの導入や業務フローの抜本的な見直しなど、誰が見ても納得できるレベルの具体的な改善策が求められます。
このやり取りは何度も続くことが多く、専門のコンサルタントに依頼するセラーもいるほど、復旧への道は険しいものなのです。
永久凍結による“アカウント資産”の全損リスク
ポイント
アカウント停止よりもさらに深刻なのが、「永久凍結(垢バン)」です。
これはAmazonからの最終通告であり、アカウントが二度と使えなくなることを意味します。
永久凍結になると、金銭的な損害も甚大です。
まず、アカウントに留保されていた売上金は、90日以上経過しても支払われず、最悪の場合は没収される可能性があります。
さらに、FBA(フルフィルメント by Amazon)を利用して倉庫に預けていた在庫商品は、返送手続きができなくなり、最終的にはAmazonによって破棄されてしまいます。
つまり、売上金と商品在庫という事業の根幹をなす資産を、一瞬にしてすべて失うことになるのです。
しかし、失うのは目に見える資産だけではありません。
長年かけて一つひとつ積み上げてきた顧客からの商品レビューや、ストアとしての高い評価、これまでの販売実績といった、貴重な「アカウント資産」もすべて消滅します。
関連アカウントの一括停止リスク(連座制)もある
ポイント
複数アカウント運用における最大のリスクの一つが、Amazon独自の「関連アカウント」という考え方に基づく連座制のペナルティです。
これは、一つのアカウントが規約違反で停止された場合、そのアカウントと「関連がある」とAmazonに判断された他のすべてのアカウントも、連鎖的に一括で停止されてしまう仕組みです。
たとえ片方が正当な理由で承認を得て運用している健全なアカウントであっても、もう一方の違反アカウントと少しでも関連性が見つかれば、問答無用で停止の対象となります
。
例えば、事業A用のアカウントが停止された結果、全く別の事業Bのために運用していた健全なアカウントまで停止され、両方のビジネスが同時に立ち行かなくなる、といった事態が起こり得るのです。
この連座制のリスクを回避するためには、承認された複数のアカウントを運用する場合でも、それぞれの運用環境を完全に分離・独立させることが極めて重要になります。
Amazonで複数アカウントを切り替えて安全に運用する方法

ここでは、複数運用において、アカウント同士を安全に切り分け、リスクを最小限に抑える具体的な方法を、基本的な対策から応用的なテクニックまでご紹介します。
ブラウザ・端末を使い分ける安全な切り替え方
ポイント
複数アカウントを安全に運用するための最も確実かつ基本的な方法は、アカウントごとに物理的な環境を完全に分離することです。
これは、Amazonにアカウントの関連性を疑われる要因を根源から断つための最も効果的な対策となります。
具体的には、以下のように環境を分けることを推奨します。
PC・スマートフォン | アカウントAはPC-AとスマホAで、アカウントBはPC-BとスマホBでのみ操作する |
インターネット回線 | アカウントAは自宅の光回線、アカウントBは専用のポケットWi-Fiやスマートフォンのテザリングを使用するなど、IPアドレスが重複しないようにする |
このように、ハードウェアとネットワークをアカウントごとに専用化することで、Amazonのシステムが両者を関連付ける情報(Cookie、端末情報、IPアドレスなど)が混在するのを防ぎます。
コストはかかりますが、ビジネスの安全を確保するための投資と考えるべきでしょう。
特に事業規模が大きい場合や、万が一のリスクを絶対に避けたい場合には、この物理的な分離が最善の選択となります。
Chromeプロファイル・拡張機能の活用術
ポイント
物理的に複数のPCや回線を用意するのが難しい場合、次善策としてGoogle Chromeの「プロファイル機能」を活用する方法があります。
この機能を使うと、一つのChromeブラウザ内に、それぞれ独立した閲覧環境を複数作成することが可能です。
プロファイルごとに、以下の情報が完全に分離されます。
- Cookieや閲覧履歴
- 保存されたパスワードやログイン情報
- インストールされている拡張機能
- ブックマークやお気に入り
これにより、「プロファイルA」ではAmazonアカウントAに、「プロファイルB」ではAmazonアカウントBにログインするといった使い分けが、1台のPC上で実現できます。
切り替えも簡単で、あたかも別のPCで作業しているかのような環境を擬似的に作り出せるため非常に便利です。
ただし、この方法にはIPアドレスは共有されてしまうという大きな注意点があります。
したがって、IPアドレスの重複リスクをさらに軽減するためには、プロファイル機能と後述するIPアドレス分散策を組み合わせる必要があります。

複数アカウント運用に便利なツール・方法
ポイント
より高度かつ安全に複数アカウントを管理したい場合、専門的なツールやサービスを利用する方法もあります。
特に有効なのが、仮想環境を提供するサービスですが、プラウザツールを使うのも一つの方法です。
以下で詳しく見ていきましょう。
VPS (Virtual Private Server)
仮想専用サーバーを契約し、リモートデスクトップ接続でアクセスする方法です。
アカウントごとにVPSを契約すれば、それぞれに独立したOS環境と固定IPアドレスが割り当てられます。
これにより、どこからアクセスしても常に同じクリーンな環境でアカウントを操作でき、関連付けのリスクを大幅に低減させることが可能です。
マルチログインブラウザ
複数アカウント管理に特化した特殊なブラウザツールもあります。
ブラウザのフィンガープリント(指紋)と呼ばれる詳細な識別情報をアカウントごとに偽装・分離し、あたかも全く別の端末からアクセスしているように見せかけることができます。
ツール運用上のポイント
これらの方法は月額費用がかかり、ある程度のIT知識も必要とします。
しかし、複数のアカウントを本格的に運用し、ビジネスの安全性を最高レベルで確保したいと考えるセラーにとっては、非常に強力な選択肢となるでしょう。
ただし、ツールの選定は慎重に行い、信頼できるサービスを選ぶことが重要です。
Amazonの複数アカウントでよくある質問

最後に、複数アカウント運用に関して特に多く寄せられる質問にQ&A形式で回答し、皆さんの不安や疑問を解消していきます。
具体的なケースを想定しながら、より実践的な知識を深めていきましょう。
同一IPアドレスは使い回せる?
回答
複数アカウントで同一のIPアドレスを使い回すことは「絶対に避けるべき」です。
理由は、Amazonがアカウントの関連性を判断する上で、IPアドレスは最も重要視される指標の一つだからです。
このリスクを回避するためには、アカウントごとに必ず異なるIPアドレスを使用しなければなりません。
具体的な対策としては、以下が有効な方法として挙げられます。
- アカウントAは固定の光回線、アカウントBはポケットWi-Fiを利用する
- スマートフォンのテザリング機能を使って、PCを接続する回線を変える
- 前述したVPSサービスを利用して、アカウントごとに固定IPを割り当てる
公共のフリーWi-FiはIPアドレスが頻繁に変わるためリスクは低いと思われがちですが、セキュリティ上の問題があるためビジネスでの利用は推奨できません。
家族や社員が別アカウントを運用してもいい?
回答
この問題は非常にデリケートであり、慎重な判断が求められます。
まず、生計を同一にする家族が、同じ住所で、同じIPアドレスを使ってそれぞれ別のアカウントを運用することは、極めて高い確率で関連アカウントと見なされます。
たとえアカウントの名義人が異なっていても、居住地や利用環境が同じであれば、Amazonはそれらを一つの経済的共同体と判断する可能性があるのです。
もし家族がそれぞれ独立したビジネスとしてアカウントを運営する場合は、事務所やインターネット回線などを物理的に完全に分離する必要があります。
社員の場合は、会社のPCや社内ネットワークを使って、社員が個人のAmazonアカウント(購入用・出品用問わず)にログインすることは絶対に避けさせてください。
会社の出品用アカウントと社員の個人アカウントが関連付けられ、万が一社員のアカウントに問題が発生した場合、会社のアカウントまで停止されるリスクが生じます。
どちらのケースでも、対策の基本は「環境の完全な分離」です。
アカウントごとに使用する端末、ネットワーク、そして運用する場所を明確に分けるルールを徹底することが、無用なリスクを避けるために不可欠です。
サードパーティツールは使ってもOK?
回答
サードパーティ製のツールの利用で重要なのは、そのツールが「Amazonの利用規約やAPIのポリシーに準拠しているかどうか」です。
Amazonは、セラーの業務を効率化するために、以下のような様々なツール連携を公式に認めています。
- 出品・在庫管理ツール
- 自動価格改定ツール
- 広告運用最適化ツール
- 分析・レポートツール
そのため、多くのセラーがMWS API(Amazon Marketplace Web Service API)を通じて、規約に準拠した便利なツールを利用しています。
これらの正規ツールを使うことは、業務効率を上げる上で非常に有効であり、何の問題もありません。
一方で、Amazonの規約に違反するような悪質なツールも存在します。
例えば、不正にレビューを収集・操作するツールや、非公開のデータを抜き出すようなツールです。
このような非正規ツールを使用すると、ツール自体が原因でアカウントが停止されるという深刻な事態を招きます。
ツールを導入する際は、提供元の信頼性や他のユーザーの評判を十分に調査し、公式に認められた安全なツールだけを選ぶようにしてください。
まとめ:Amazon出品用アカウントの複数運用は可能だが慎重に
この記事では、Amazonの出品用アカウントを複数運用できるのかというポイントに絞って紹介してきました。
記事のポイントを簡単にまとめると、以下の通りです。
- Amazonの規約では出品用アカウントの複数運用を禁止している(一部例外あり)
- 個人や小規模ショップにとっては現実的ではない
- 正式に複数のアカウントを運用する場合は「新規法人」が安全
結論として、Amazonでの複数アカウント運用は、「ビジネス上の正当な理由がある」という条件下でのみ可能です。
この大原則を無視した安易な複数アカウントの作成・運用は、アカウントの一括停止や売上金・在庫の没収といった、ビジネスの存続を脅かす壊滅的なリスクを伴います。
また、たとえビジネス上の正当な理由がある場合でも、IPアドレスや使用端末を完全に分離するなど、常に関連付けを避けるための慎重な管理が不可欠です。
Amazonという巨大なプラットフォームで安定してビジネスを続けるためには、規約の深い理解と遵守が何よりも重要であることを忘れないでください。
※この記事はAmazonの規約違反をすすめる意図はありません。本記事を参考にして仮にAmazonアカウントが停止・閉鎖になった場合でも当サイトはいかなる責任を負いません。
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