Shopify API完全ガイド｜使い方・設定・連携・エラー対処まで徹底解説

自社サイト構築サービスのShopifyを利用されている方の間で、ECビジネスの急速な拡大とデジタル化の進展により、Shopify APIの重要性が高まっています。

Shopify APIは、オンラインストアの機能を外部システムと連携させる強力なツールであり、ビジネスの自動化と効率化を実現する鍵となります。

本記事では、Shopify APIの基本概念から実装方法、エラー対処まで包括的に解説いたします。

初心者から中級者まで、APIを活用してビジネスを次のレベルに押し上げたい方に向けた実践的な情報を提供します。

Shopify APIとは？概要とできることを解説

Shopify APIは、Shopifyプラットフォームと外部アプリケーションを連携させるためのインターフェースです。

ここでは、Shopify APIの基本構造から具体的な機能、そして導入するメリットまでを詳しく解説いたします。

Shopify APIは、Shopifyストアのデータにプログラムからアクセスできる仕組みです。

外部システムとの連携や自動化処理を実現する重要な機能となっています。

Shopify APIの基本構造と種類（REST／GraphQL）

それぞれ異なる特徴を持っていますので、以下を参考にして用途に応じて使い分けることが重要です。

REST API

HTTPメソッド（GET、POST、PUT、DELETEなど）を使用して、リソース（商品、注文、顧客など）を操作するのが大きな特徴です。

シンプルで分かりやすく、幅広い開発者が利用しやすい形式で、既存のシステムとの連携実績も豊富にあります。

用途としては、特定のリソースに対するCRUD操作（作成、読み取り、更新、削除）に適しており、シンプルなデータ連携によく用いられます。

GraphQL API

クライアントが必要なデータだけをリクエストできるため、レスポンスのオーバーフェッチやアンダーフェッチを防ぎ、ネットワーク効率を向上させます。

単一のエンドポイントで、複数のリソースを一度に取得できる柔軟性も持ち合わせています。

用途としては、 複雑なデータ構造を持つアプリケーションや、モバイルアプリのようにネットワーク環境が安定しない場合に特に有効です。

リアルタイム性の高いデータ取得にも強みがあります。

Shopify APIで実現できる主な機能（商品管理・注文・顧客情報など）

主な機能は下記の通りです。

• 商品管理：商品の追加・編集・削除、在庫数の更新、価格変更
• 注文処理：注文データの取得・更新、配送状況の管理
• 顧客管理：顧客情報の取得・更新、購買履歴の分析
• 在庫管理：在庫数のリアルタイム更新・複数倉庫間での在庫移動、在庫アラート
• コレクション管理：商品カテゴリの作成・編集
• 割引・クーポン：プロモーション設定の自動化

これらの機能を活用することで、手作業による業務負担を軽減し、より戦略的なECサイト運営が可能となります。

また、外部のツールやサービスとの連携も容易になり、Shopifyの機能をさらに拡張することもできます。

Shopifyで売れ行きが思わしくない場合は、下記の記事が参考になりますので、ぜひ参照ください。

Shopifyで売れない原因と改善策｜初心者が最短で売上を伸ばす完全ガイド

Shopify APIを使うメリットと導入の目的

手動で行っていた作業を自動化し、データ連携をスムーズにすることで、時間とリソースを節約できます。

導入の主な目的としては、以下の点が挙げられます。

業務効率化

繰り返しの手作業をAPIで自動化することで、人的ミスを削減し、時間とコストを大幅に削減できます。

例えば、注文情報の自動連携や在庫のリアルタイム更新などが可能です。

機能拡張と差別化

Shopifyの標準機能では対応できない、独自のサービスや機能を開発し、競合との差別化を図ることができます。

顧客体験の向上や、特定のビジネスモデルに特化した機能実装に役立ちます。

データ活用

顧客データや販売データを外部の分析ツールと連携させることで、より深いインサイトを得て、マーケティング戦略や商品開発に活かせます。

データドリブンな意思決定を支援します。

システム連携

既存のERP（基幹業務システム）やCRM（顧客関係管理システム）、会計システムなどとShopifyを連携させることで、社内全体の情報共有をスムーズにし、一元的な管理体制を構築できます。

これにより、業務プロセス全体の最適化が期待できます。

これらのメリットを享受することで、Shopifyストアは単なる販売チャネルから、より高度なビジネスプラットフォームへと進化することができます。

Shopify APIの始め方｜登録からAPIキー発行・認証設定まで

Shopify APIを利用するためには、適切な準備と設定が必要です。

ここでは、Shopify Partnersアカウントの作成から、APIキーの発行、テスト環境の構築まで、実際にAPIを使い始めるための具体的な手順を段階的に説明いたします。

Shopify Partnersアカウントの作成とアプリ登録

このアカウントは、Shopifyアプリの開発やテーマの構築、クライアントストアの管理を行うための入り口となります。

アカウント登録からアプリ登録までの流れは以下の通りです。

Shopify Partnersアカウントの作成

Shopify Partnersウェブサイトにアクセスし、「今すぐ登録」ボタンから必要な情報を入力してアカウントを作成します。

登録時には、会社名、連絡先情報、開発予定のアプリケーションの概要などの詳細情報が必要となります。

開発ストアの作成

APIのテストやアプリ開発を行うために、開発ストアを作成します。

Partnersダッシュボードから「ストアを作成する」を選択し、「開発ストア」を選んで設定を進めます。

アプリ登録

開発ストアでAPIを操作するためのカスタムアプリを登録します。

Partnersダッシュボードの「アプリ」セクションから「アプリを作成」を選択します。

「カスタムアプリ」を選び、アプリ名を入力してストアと紐付けを行います。

このカスタムアプリを通じて、APIキーやアクセストークンが発行されます。

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これらの手順を踏むことで、APIを利用するための基本的な環境が整います。

開発ストアは実際の顧客がアクセスできないため、安心してAPIのテストや開発を行えるでしょう。

APIキー・アクセストークンの発行と管理手順

これらはAPIへのアクセスを認証するための重要な情報です。

APIキーの発行

カスタムアプリを作成すると、APIキー（API Key）が自動的に発行されます。

これはアプリを識別するための公開情報です。

アクセストークンの発行

アクセストークン（Admin API access token）は、APIリクエストを認証するために使用される機密情報です。

これはアプリの管理画面で「APIの資格情報」セクションから発行されます。

初回発行時にのみ表示されるため、必ず安全な場所に保管してください。

再発行は可能ですが、既存のトークンは無効になります。

権限設定（Scopes）

アクセストークンを発行する際に、アプリがアクセスできるリソースの種類と操作（読み取り、書き込みなど）を設定します。

必要最小限の権限のみを付与することがセキュリティ上推奨されます。

安全な管理

発行されたAPIキーとアクセストークンは、決して公開リポジトリにコミットしたり、クライアントサイドのコードに直接埋め込んだりしないでください。

環境変数や安全な鍵管理サービスを利用して管理することが重要です。

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これらの手順で発行されたAPIキーとアクセストークンを使用して、Shopifyのデータに安全にアクセスできるようになります。

特にアクセストークンは、情報漏洩によって不正アクセスを招く可能性があるため、厳重な管理が求められます。

Postmanなどを使ったAPIテスト環境の構築方法

広く利用されているAPIクライアントツール「Postman」を使った構築方法は以下の通りです。

• Postmanのインストール：Postmanの公式サイトからアプリケーションをダウンロード
• 新しいリクエストの作成：Postmanを起動し、新しいHTTPリクエストを作成
• リクエストURLの設定：Shopify APIのエンドポイントURLを設定
• ヘッダーの設定: 認証情報とコンテンツタイプを設定
• メソッドとボディの設定： POSTやPUTリクエストの場合は、JSON形式でリクエストボディを設定
• リクエストの送信：設定完了後、「Send」ボタンをクリックしてリクエストを送信
• レスポンスの確認： レスポンスボディにデータが返ってくるのを確認

Postmanを利用することで、コードを書かずにAPIの動作を素早く検証でき、開発効率を大幅に向上させることが可能です。

Shopify REST APIとGraphQL APIの違いと使い分け

Shopify APIには、REST APIとGraphQL APIという2つの主要なAPIタイプが存在します。

ここでは、それぞれの特徴を比較し、適切な使い分けについて詳しく解説します。

REST APIの特徴と主なエンドポイント一覧

各リソースに対して明確なエンドポイントが定義されており、開発者にとって理解しやすいアーキテクチャとなっています。

長年にわたって使用されてきたため、実装例やトラブルシューティング情報が充実しており、初心者でも取り組みやすい環境が整っています。

主なエンドポイントは下表の通りです。

エンドポイント	HTTPメソッド	機能	使用例
/admin/api/2024-01/products.json	GET	商品一覧取得	商品管理システム
/admin/api/2024-01/orders.json	GET	注文一覧取得	受注管理システム
/admin/api/2024-01/customers.json	GET	顧客一覧取得	CRM連携
/admin/api/2024-01/inventory_levels.json	GET	在庫レベル取得	在庫管理システム

REST APIは、シンプルに単一のリソースを操作したい場合や、既存のシステムに組み込む場合に適しています。

しかし、複雑なデータ取得には複数のリクエストが必要になることがあり、ネットワーク負荷が増大する可能性もあります。

GraphQL APIの特徴とクエリの書き方

単一のエンドポイント（/admin/api/2024-01/graphql.json）で、複数のリソースに効率的にアクセスできます。

これにより、ネットワーク通信量の削減とパフォーマンスの向上が実現されます。

GraphQLクエリの基本的な書き方の例は以下の通りです。

商品情報を取得する場合のクエリ例

このクエリでは、商品のタイトル、ハンドル、バリエーションの価格と在庫数を一度のリクエストで取得できます。

REST APIで同様の情報を取得する場合、商品リスト、各商品の詳細、各バリエーションの情報など、複数回のAPIコールが必要となります。

しかし、GraphQLでは、ミューテーション（mutation）を使用してデータの更新も行えます。

パフォーマンスと効率性の観点からの選び方

パフォーマンス面では、GraphQLが優位な場面が多く、特にモバイルアプリケーションや帯域幅が制限される環境では、その効果が顕著に現れます。

必要なデータのみを取得できるため、データ転送量が削減され、レスポンス時間の短縮につながります。

開発効率の観点では、GraphQLは初期学習コストが高いものの、長期的には開発速度の向上が期待できます。

型定義によるコードの自動生成、リアルタイムでのスキーマ検証、強力な開発ツール群により、堅牢なアプリケーション開発が可能となります。

主な項目における比較と推奨シーンは、下表の通りですので参考としてください。

比較項目	REST API	GraphQL API	推奨シーン
学習コスト	低	中～高	新人開発者が多い場合はREST
パフォーマンス	中	高	大量データ処理はGraphQL
キャッシュ	容易	複雑	キャッシュ重視ならREST
柔軟性	低	高	頻繁な仕様変更はGraphQL

最終的には、チームのスキルセット、プロジェクトの複雑さ、パフォーマンス要件を総合的に評価して選択することが重要です。

Shopify APIを使った具体的な実装・連携例

理論的な知識だけでなく、実際のコード例と具体的な連携事例を通じて、Shopify APIの実践的な活用方法を学ぶことが重要です。

ここでは、よく使用される実装パターンと、実際のビジネスでの連携事例を詳しく紹介いたします。

商品一覧を取得するサンプルコード（Python／Node.js）

Shopify APIを使用した商品一覧取得の実装を、PythonとNode.jsの両方で紹介します。

まず、Python実装では、requestsライブラリを使用します。

Node.js実装では、axiosライブラリを使用した例を示します。

実装時の重要なポイントとして、エラーハンドリングの実装、Rate Limitへの対応、レスポンスデータの適切な処理が挙げられます。

特にRate Limitについては、ヘッダー情報を監視し、制限に近づいた場合は適切な待機時間を設けることが必要です。

また、大量の商品を取得する場合は、ページネーション機能を活用し、limit パラメータで取得件数を調整することで、効率的なデータ取得が可能となります。

在庫・注文データの自動同期と更新方法

出典：THE CKB　【D2Cシステム】 BASE/Shopify API連携で自動発注のご案内

この連携システムでは、5つのステップで完全な自動化フローを構築できます。

第1ステップ：API連携

ShopifyストアとTHE CKBシステム間で認証情報を設定し、安全な通信チャネルを確立します。

第2ステップ：商品取込み

Shopifyから商品情報を自動的に同期し、THE CKBの商品データベースに登録されます。

第3ステップ：仕入れ先との紐付け

このシステムの核心部分で、商品ごとに仕入れ先情報を関連付けることで、注文発生時の自動発注が可能となります。

第4ステップ：受注データ取り込み

Shopifyで受注が発生すると、リアルタイムでTHE CKBシステムに注文データが転送され、設定に応じて自動発注または手動確認後の発注が実行されます。

自動発注機能をONにすることで、24時間365日の無人運用が可能です。

第5ステップ：出荷情報自動反映

商品出荷後の追跡番号やお届け予定日などの情報が、自動的にShopifyストアに反映されます。

これにより、顧客への迅速な情報提供と、カスタマーサポート業務の負荷軽減が実現されます。

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また、商品の一括登録機能により、THE CKBで管理している商品を効率的にShopifyストアに展開することも可能です。

このような包括的な連携により、EC事業者は在庫管理、受注処理、出荷対応の全工程を自動化し、より戦略的な業務に集中できるようになります。

ERP・SNS連携（TikTok注文連携など）の自動転送フロー

出典：ハックルベリー社・データ連携サービス

この革新的なソリューションは、ノーコードでの設定が可能で、技術的な専門知識を持たない事業者でも簡単に導入できます。

商品データ、在庫データ、受注データ、キャンセルデータの4つの重要なデータタイプをリアルタイムで自動連携し、マルチチャネル販売の課題を解決します。

このシステムの最大の利点は、運用コストの大幅な削減です。

従来は各プラットフォームで個別に商品登録、在庫管理、注文処理を行う必要がありましたが、CoreLinkの導入により、これらの作業が完全に自動化されます。

TikTok Shopの急成長に伴い、このような連携ソリューションの需要は急速に拡大しており、EC事業者にとって競争優位性を確保する重要なツールとなっています。

Shopify APIでよくあるエラーと対処法

Shopify APIの開発において、エラーの理解と適切な対処方法を知ることは非常に重要です。

ここでは、最も頻繁に遭遇するエラーとその解決策について、実践的なアプローチで解説いたします。

認証エラー（401/403）の原因と解決方法

401 Unauthorized エラーは、認証情報が無効または不正であることを示しています。

主な原因として、アクセストークンの誤り、トークンの有効期限切れ、ヘッダー情報の設定ミスなどが挙げられます。

403 Forbidden エラーは、認証は成功しているものの、リクエストされたリソースへのアクセス権限がないことを示します。

認証エラーの解決手順は以下の通りです。

• アクセストークンの確認：Admin設定画面でトークンが正しく生成されているかチェック
• ヘッダー設定の検証：X-Shopify-Access-Tokenヘッダーが正しく設定されているか確認
• 権限スコープの確認：必要な権限（read_products、write_ordersなど）が付与されているか確認
• ストアURLの確認：myshopify.comドメインが正しく指定されているか確認
• APIバージョンの確認：サポートされているバージョンを使用しているか確認

効果的な予防策は以下の通りです。

• 開発環境でのテスト実施
• トークンの定期的な更新
• ログ出力によるデバッグ情報の収集
• エラーハンドリングの実装

特に、本番環境移行時には、環境変数の設定確認とアクセス権限の再検証が重要となります。

また、セキュリティの観点から、不要な権限は付与せず、最小権限の原則に従って設定することも大切です。

Rate Limit制限の回避方法と最適化

REST APIでは、1秒間に2リクエスト、GraphQLでは複雑さに基づく制限があります。

制限に達すると、429 Too Many Requests エラーが発生し、一定時間アクセスが制限されます。

この制限を効果的に管理することは、安定したアプリケーション運用に不可欠です。

Rate Limit制限の回避技術として、以下の方法が効果的です。

まず、リクエスト間隔の調整により、連続的なAPIコールを避け、適切な待機時間を設けます。

バッチ処理の活用により、複数の操作を一度のリクエストにまとめることで、総リクエスト数を削減できます。

GraphQL APIの使用も有効で、必要なデータを一度のクエリで取得することで、効率性が向上します。

レスポンス遅延・エラー時のデバッグ手順

まず、ネットワーク接続の確認から始め、インターネット接続の安定性、DNSの解決状況、ファイアウォール設定などの基本的な要因を検証します。

次に、APIリクエストの詳細ログを記録し、リクエストURL、ヘッダー、ペイロード、レスポンス時間、ステータスコードなどの情報を体系的に収集します。

効果的なデバッグツールの活用も重要です。

Postmanやcurl コマンドを使用して、単発的なAPIテストを実行し、問題の切り分けを行います。

ブラウザの開発者ツールやWiresharkなどのネットワーク監視ツールを使用して、詳細な通信内容を分析することも有効です。

ログ解析においては、タイムスタンプの確認、エラーパターンの特定、リクエスト頻度の分析などを行います。

まとめ│サイトを始めるなら今がチャンス

Shopify APIの活用により、ECビジネスの可能性は無限に広がります。

本記事で紹介した基本的な概念から実装方法、エラー対処法まで、これらの知識を実践に移すことで、競争力のあるECサイトを構築できます。

API連携による自動化は、業務効率化とコスト削減を実現し、ビジネスの成長を加速させる重要な要素です。

今こそShopify APIを活用し、次世代のECビジネスを始める絶好のタイミングといえるでしょう。